コラムはじめました1。いつまで続くかわかりません。
2015年春夏東京コレクションつば広帽子流行
(写真は2015年春夏パリコレクションから)
読売新聞。東京コレクションで「つば広帽子」流行の記事。逆の意味で、なるほどと思った。今シーズンは、何度か「東京には、なんでこんなに帽子を被っているんだろう」、「じゃまだな」と思ったからだ。はっきり言って、私はつば広帽子が嫌いだ。なぜ、コレクションの会場でつば広帽子を禁止にするべきではないかとさえ思っている。
2、3年前、ブロガー全盛期(東京は今でも続いているが)にも、別の場所で、他人が見えなくなるようなヘッドピースや帽子を被るべきでは無い、と書いたが、はっきり言って、コレクション会場で「つば広帽子」が隣に来たら最悪だ。つばを避けながらコレクションを見なければならなくなるからだ。その上、つばを避けながら逆側の人の邪魔にならないかも気にしなければいけないのだ。しかも、そういう人ほど、前かがみでショーを見たりする。だったら、言えばいいというかもしれないがそうはいかない。さらに悪いことに、編集長クラスにも、つば広帽子を被っている人がいるからだ。
あまりにもつばが大きかったので「すみません(なぜ、こちらが謝らなければいけないのか疑問なのだが)ショーが始まったらでいいので帽子をとっていただけますか」と言ったこともある。だが、1人は「なぜ」と不思議な顔をしていた。もう1人は、後から知ったことだが、ある媒体の編集長だった。
こんなことを言うと、コレクションはデザイナーやブランドに敬意を表して、おしゃれをしてくるべきだ。と、言われそうだ。百歩譲ってそうだったとしても、コレクションの本質はデザイナーのコレクションを見ることであって、来場者のファッションを見ることではない。それがお仕事のストリートスナップブロガーさんや会場スナップ担当者は別として、自分の服を見せに来るタイプの人でさえ、他人の帽子になど興味はない。興味はあったとしても、他の人がコレクションを見るのに邪魔になるなら、本末転倒である。と思う。
これが、コンサートならどうだろう。好きな歌手やアイドルグループのコンサートでは雨の日でも傘は禁止。誰も疑問に思わない。他の人が見にくいからだ。それと同じで、コレクションでも、大きな帽子の人の隣や後ろになどいたくない。それに、隣につば広帽子がいたとする。隣の人はそれを避けて前屈みになる。その隣の人はそれを避けて。その隣の人はあきらめて逆から歩いてくる姿を追うことになるのだ。コレクション中は携帯電話の電源をお切り下さい、と言うのに、なぜ、コレクション中は大きな帽子を被ったり前屈みになるのは、周りの人のご迷惑になるので、おやめ下さいと言わないのは不思議だ。
もっとも、デザイナーやブランドは、コレクションを見に来るくらいの人や将来デザイナーになりたいと思うような学生なら当然周りの人が見にくいことに気付く程度の繊細さを持っている、そんな鈍い人はコレクションには来ない、と思っているのかも知れない。