2014/2015秋冬パリコレクション会場スナップシャネル2
2014/2015秋冬パリコレクション会場スナップシャネル3
2014/2015秋冬パリコレクション会場スナップギ・ラロッシュ1
ユキコ ハナイ2014/2015秋冬コレクション
アルカンターラがイタリア大使館でワイズ2014/2015秋冬コレクション開催
アルカンターラがイタリア大使館でワイズ2014/2015秋冬コレクションファッションショーを開催
「今回のワイズ(Y's)とのコラボレーションは日本市場への入り口です。日本の消費者はファッションに対する知識があり目も肥えています。しかも、購買力があり、イタリア製品のことを高く評価しています。可能性は大きいと思っています」と語るのはイタリアの素材メーカー、アルカンターラ(Alcantara)社のアンドレア・ボラーニョ会長兼CEO。アルカンターラはイタリア大使館大使公邸で
ワイズ2014/2015秋冬コレクションのファッションショーを開催しました。
今回のショーはアルカンターラ社の製品や技術を紹介するイベント「イタリアのアート(ハート)と日本のテクノロジーの融合」の中で行われたものです。
ミリタリージャケット、ダッフルコート、ナポレオンシャツとジャガードやチュール、エンブロイダリーを使ったスカート、パンツの組み合わせなど、「エレガント・ミリタリー」をテーマに、18世紀末から19世紀初頭のフランス、ナポレオン時代の軍服とその時代のファッションからインスピレーションを受けたワイズ2014/2015秋冬コレクション。アルカンターラ社の高級素材「アルカンターラ」を使用したデザインでは、布帛ではジャガードで表現した花を特殊プリントで描いたコートやラミネート加工を施したコートやバッグなどが登場しました。また、耐久性の高さを活かし、アルカンターラ素材のテープで作られたニットなども発表されました。
ニナ・リッチ(NINA RICCI)に糸を提供した事で知られる佐藤繊維をはじめ、パリコレクションでラグジュアリーブランドや人気ブランドが日本の産地の素材を使うことはもはや珍しいことではありません。しかし、今回のコラボレーションは海外の素材メーカーが日本のデザイナーブランドに素材を提供するという流れです。
ボラーニョ会長兼CEOはリリースの中で「ファッション分野は総売上高の約10パーセントを占めている」とした上で「東京は世界のファッションに欠かすことの出来ない都市。今後も東京から発信を続けていくことで、ファッション業界でのブランドの認知度を高め、著名なデザイナーやブランドとのコラボレーションを続けていきたい」としています。
レセプションパーティではパリコレクションに出ているブランドの関係者も見かけました。ワイズとのコラボレーションの今後についてはまだ決まっていないようですし、今回はコレクションブランドであるヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)ではなくワイズとのコラボレーションでしたが、次はどのブランドとコラボレーションをするのかということや世界に素材を発信する日本でイタリアの素材がどう受け入れられ、どう広がっていくのかなども注目されそうです。
注意。写真はワイズ2014/2015秋冬コレクションのショーのもので、コラボレーション以外のデザインも含まれています。
ゴム(gomme)2014/2015秋冬コレクションVol.1
ゴム(gomme)2014/2015秋冬コレクションVol.1
今年9月28日で25周年を迎えるゴム(gomme)。マキヒロシゲアトリエはゴム2014/2015秋冬コレクションVol.1で、遊びをテーマにしたコレクションを提案しています。
アンティークなロボット、ブリキのおもちゃをモチーフにしたワンピースやたくさんの飛行機で作ったカムフラージュ柄のスカート。2013/2014年秋冬から子供服をスタート。レディースやメンズの最新コレクションと同じデザインやプリントの服を着ることができる子供服を提案していますが、今シーズンは子供服のようなモチーフをレディースやメンズに使ったようなデザインが目を引きます。
また、色もベージュやレンガ色などの暖かみのある色が中心です。素材はシープやファーのほか、カットソーを裁断して作ったニットなども使っています。
「スタートから年に4回ずつ、1回も欠かさずに展示会を行ってきたので、次で100回目になります。25周年だからといって、特別なことをするつもりはありません。記念のショーをする予定もありません。ただ、ビジネスは引き続き順調ですし、40年続くようなブランドを目指したいとは思っています」とデザイナーの真木洋茂さん。
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ゴム(gomme)2013/2014年秋冬コレクションから子供服をスタート
http://ameblo.jp/fashionleaks/entry-11522867345.html
スペシャルプログラムThe Japan Observatory9月ミラノウニカで開催
スペシャルプログラムThe Japan Observatory9月ミラノウニカで開催
日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)と独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が9 月9 日から11 日にイタリアで開催されるミラノウニカ(Milano Unica) 2015AWの特設エリアジャパンパビリオンで日本×ミラノウニカによるスペシャルプログラム「The Japan Observatory」を開催します。テキスタイルと関連メーカー29社・団体が参加。企業ブースとジャパンテキスタイルブースを設置し、日本のテキスタイルをアピールします。ミラノウニカにイタリアとヨーロッパ以外の企業・団体が出展するのは初めて。来日したミラノウニカのシルビオ・アルビーニ(Silvio Albini)会長は「ミラノウニカをさらに強化するためには(日本の素材という)新しい木を継ぎ足すことが必要」と強調。貝原良治JFWテキスタイル事業運営委員長は「3年間は継続したい」としています。
ミラノウニカはイタリアのさまざまな場所で開催されていた素材展示会を1つにし、2005年にスタートした世界でもトップクラスの素材の展示会です。
JFWはテキスタイル事業で、繊維の総合見本市「JFWジャパンクリエーション」やビジネス商談会「Premium Textile Japan」を開催するなど、テキスタイルのブランディング化による国内でのテキスタイルビジネスの活性化を推進。また、海外に向けては2007年から香港、上海、ソウル、ムンバイなど海外のテキスタイルの展示会にもジャパンパビリオンを出展するとともに、2008年からミラノウニカへの出展に向けて打診・交渉を続けてきました。今回の特別プロジェクトはイタリアの高級ブランドのバイヤーから推薦や要望があったことや、日本のテキスタイルの品質レベルが高く評価されていることから実現したものです。念願だったヨーロッパでの展示会参加が実現しました。
日本を俯瞰する、日本を展望すると名付けられたスペシャルプログラム。初参加となる今回は合繊、ウール、綿、ニット、プリント、服飾資材など各分野から日本を代表する29の企業・団体を一同に揃え日本の幅広い素材をアピール。JFWとジェトロによる広報ブースを設置し、日本素材の魅力に焦点を当てた素材の展示するなど、情報を発信やこれまでジェトロが日本に招待したイタリアの有力バイヤーの誘致、特設ラウンジでのバイヤーとのマッチング支援なども行います。また、ビジネスの継続に向けてジェトロのミラノのコーディネーターを通してのフォローなども行う予定です。
東京で会見したシルビオ・アルビーニ会長は「イタリアの有名メゾンから日本のテキスタイルメーカーを呼んで欲しい声も多かったし、JFWと話し合いを続ける中でミラノウニカも定着し、機は熟したと判断しました。ミラノウニカという名前の示すユニークな、唯一のという特徴をさらに強化するためには(日本の素材という)新しい木を継ぎ足すことが必要です。これからも最高峰の展示会であるという位置づけに変わりはありません。スポーツで使われる機能素材や日本の伝統技術など、日本の強みであるイノベーションやクリエーション、洗練を加えることでミラノウニカがさらに魅力あるものになることを期待しています。(これまではヨーロッパ以外の出展社は受け入れていませんでしたが)イノベーションやサービス、高品質などの要素を備えていれば、日本のメーカーの出展は今後も喜んで受け入れたいと思っています。出展社数を制限するつもりはありません」と強調。JFWの三宅正彦理事長は「ヨーロッパ以外からの初めての出展ということで注目を集めると思いますが、貢献できると確信しています」と話しました。
また、貝原良治JFWテキスタイル事業運営委員長は「勉強だけでは無くビジネスにつなげなければいけないと思っています」とするとともに、「1回で終わらせるつもりはありません。3年間は継続したいと考えています。また、当初は1年1回9月ということでしたが、2月と9月の年2回出展したい」という考えを明らかにしました。
JFWの取り組みには1度で終了するケースも少なくありませんが、世界のラグジュアリーブランドや人気ブランドが日本の素材を使う中で、今後の展開や継続も注目されそうです。
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ファッション力5月号2014/2015秋冬パリコレクション会場スナップ
キューン(CUNE)が6月26日からパリでキューンの世界展開催
キューン(CUNE)6月26日からパリで「キューンの世界展開催
パリコレクションで「目玉」が注目される数年前、東京で「白目」や「腸」をテーマにしていた、あのブランドはパリでどう評価されるのか。
キューン(CUNE)はパリメンズコレクションが開催されている6月26日から7月2日まで、パリ3区のギャラリーONE STEP GALLERY(79 rue Charlot 75003 Paris)で、これまで発表したプリントやコレクション、ショーの画像などを集めたイベント「キューンの世界展(L'E xposition CUNE a Paris)」を開催します。同ブランドとしては初めての海外での作品発表。2015年春夏パリメンズコレクション会期中ですが、今回は2015年春夏最新作ではなく、本格的な海外進出を前に、これまでの作品やイメージを紹介。メディアやプレス、バイヤーだけでなく、一般の人にも公開されるものので、誰でも見ることができます。
2013/2014年秋冬パリコレクションでケンゾー(KENZO)やディオール(DIOR)が発表して世界的に注目を集めた「目玉」ファッション。今年は原宿などでも、「目玉」を取り入れたアイテムが話題になりました。「目玉」のモチーフやその流れを受けたアートやシュールレアリスムは2014/2015秋冬パリコレクションでも続いていて、日本のミセスブランドや量販ブランドの展示会でも登場しています。そうしたモチーフをいち早く打ち出していたのがキューン。2010年春夏コレクションのテーマは「白目(しろめ、と読みます)」。今シーズンのパリコレクションで登場した「腸」のようなモチーフも2009年春夏のテーマとしていち早く発表しました。メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京初参加となった2012/2013年秋冬コレクションでは「これまでのコレクションの中で評判の悪かった」腸と白目をテーマにしたインスタレーションが注目を集めました。鼻血なども以前から提案していたといいます。
また、2014/2015秋冬は、あのライオンの殺虫剤バルサンとのコラボレーション。バルサンのロゴ、缶をアンディウォーホルのキャンベルスープのように並べたプリント、煙のモチーフを使ったデザインをはじめ、腹巻きや北海道大学のパワースーツをファッションに取り入れたデザインなどを見せました。(ちなみに、防虫効果などの機能はありません)
6月25日から29日に開催されるパリメンズコレクションにぶつけたのは、もともとメンズが強かったため。白目やバルサンロゴのドレスなどコレクションではレディースのショッキングなデザインが印象的でしたが、次のレディースに向けたプレビューという位置づけではないようです。イベントはメンズが中心で、比率はメンズ70%、レディースが30%程度になる見通しと言います。パリでも東京と同様に、モデルを使ったプレゼンテーションやショーではなく、マネキンを使ったインスタレーションにこれまでの資料、画像、空間演出なども加えたものになるようです。デザインもコレクション話題となった白目や腸、バルサンなどの目立つモチーフだけでなく餃子などもプラスした、ブランドの本質を世界に紹介するものになります。
また、パリコレクションでは、デザイナーが何を考えているのかデザイナー自身から伝えることも大切ですが、今回はデザイナーの安田裕紀自身はパリには行かないなど、既成概念にとらわれないキューンらしいやり方は変えないということです。
コレクションの資料や動画を見たフランスや海外メディアからは好評というキューン。ラグジュアリーブランドや人気ブランドよりも先に目玉のモチーフを使うなど、アバンギャルドでエキセントリックなアイデアや日本のデザイナーに求められる「カワイイ」モチーフとディテールをリアルなアイテムにプラスしてきた東京のブランドが世界からどう評価されるのか。バルサンなどのモチーフは、モスキーノが発表したマクドナルドのように、海外から理解され、受け入れられるのでしょうか。
以前、このブログで(レディースの)パリコレクションで、ラグジュアリーブランドや人気ブランドのショーの会場の前でゲリラショーをしたらおもしろいと書きましたが、パリコレクションに先駆けて、脱服やアートモードという流れを提案したリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)、服の常識に異議を唱え、新しい提案を続けるアンリアレイジ(ANREALAGE)など、クールジャパンという枠や、トレンドや常識に当てはまらない新しい提案をしている日本のブランドはパリコレクションをリードする日本ブランドだけではありません。
今回のイベントが評価されるのか、実際のビジネスにつながるのか、コムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)とコラボレーションした山縣良和のようにラグジュアリーブランドや世界のトップブランドとのコラボレーションなどにつながるのか。それとも、日本のデザイナーのモチーフやアイデアはおもしろいけど、で終わってしまうのでしょうか。今後への影響という意味でも注目されそうです。
(写真はこれまでのプレゼンテーションのものです。今回のイベントとは関係ありません)
タクーン・パニクガルに聞くアジアのデザイナーが世界で活躍するために必要なこと
インタビュー タクーン・パニクガル
アジアのデザイナーが世界で活躍するために必要なこととは?
インターナショナル・ウールマーク・プライズ (International Woolmark Prize)2014-2015アジア地区大会」、虎ノ門ヒルズのアンダーズ東京で行われ、タクーン(Thakoon)のオーナー兼デザイナーであるタクーン・パニクガルが審査員として来日した。タイ出身。アメリカで育ち、デザイナーになる前にはエディターやライターの仕事も経験しているタクーンにアジアのデザイナーが世界で活躍するためのポイントなどを聞いた。
三宅一生や高田賢三、山本耀司、川久保玲などの日本人デザイナーはもちろん、デビュー20年を迎えるタクーンさんなど、アジアのデザイナーが世界で活躍しているケースはたくさんありますし、世界に進出したいという若手デザイナーも多いと思います。アジアのデザイナーが世界で成功するために必要なことは?
「グローバルなトレンドを理解することが一番必要だと思う。アジアのデザイナーはどうしても自分の国のローカルなマーケットだけを見てしまいがちで、世界のマーケットで何が起きているのか、何が求められているのかということに対する理解が不足している部分がある。
世界で成功したいのなら、ベースになるニューヨーク、パリ、ミラノ、ロンドンなどの都市で、自分のブランドのお客さまになる人は誰なのか、何を求めているのかを知ること。ストアレベルで何が起きているのかをしっかりと理解しなければいけない。
トレンドといっても、プレスのレベル、つまり、雑誌やメディアでコレクション情報やトレンドを知るだけではだめだ。実際にそれぞれの国のお店、消費者のレベルで何が本当に売れているのか、買っているのはどういう人なのかを知り、お店からいろいろいなことを吸収しなければいけない」
昔と違い、インターネットやSNSの発展によって、コレクションで発表した作品がライブで配信されたり、数時間後には世界中に知られてしまうようになりました。デザイナーに求められることは変わりましたか。
「インターネットやSNSによって、ファッションについても消費者はより進化しているし、洗練されている。進化した消費者に受け入れられ、買ってもらうためには、これまで以上に情熱が必要だし、自分が何を考えて作っているのかを見せていかなければいけなくなっている。
ただ単に、世界に出してみたい、有名になりたいという程度ではうまくいかない。自分のオリジナリティや創造性、デザインのプロセスを持った上で、それをきちんと表現していくことができることが必要になっている」
中国や日本、タイ、シンガポール、香港など、アジアでもたくさんの国がファッションウィークを開催し、アジアにおけるファッションのハブになることを目指しています。
「まず、指摘したいのは、デザイナーもファッションウィークも多すぎるということ。それが激しい競争を作り出している。その中で成功するには、それぞれのデザイナーやファッションウィークがアイデンティティに基づいて、自分らしさや本当に伝えたいものを明確にする必要がある。
たとえば、タイのデザイナーであればタイらしさや、タイのデザイナーとしてのアイデンティティはどこにあるのか、それを世界でどう表現し、抜きんでていくためには何をするべきなのかを考えるべきだ。自分らしさに基づいて、ニッチや美学を確立し、服を作らなければいけない。
もちろん、日本のデザイナーも同じ。本当に世界て成功したいなら、日本のデザインとは何なのかということからきちんと考えなければいけないし、それが世界での競争に勝ち抜くための方法、成功するための処方箋になると思う。
というのも、これから世界に出て行こうとするデザイナーは世界のビッグブランドや有名デザイナーとの競争だけでなく、大量生産によって低価格なファッションを作るような企業との戦いにも勝ち抜いていかなければいけないからだ。もちろん、自分の国をそのまま出せばいいというわけではないが、自分らしさと独自性を持っていなければ成功はおぼつかない」
自身のブランドだけでなく、2009年からはTASAKIのクリエイティブディレクターなども務めていますが、今後やりたいことは。
「アジアの国々や人々が私に関心を持ち、尊敬してくれているのは、私がアジアのデザイナーであり、クオリティを重視しているからだと思っている。これからもアジアのコミュニティの一員としてのさまざまな活動を続けていきたいし、デザイナーとして新しい才能の発掘や育成にもできるかぎり協力していきたい。
もちろん、タクーンブランドとしても、これまでの成功に満足せず、さらにステップアップしていきたいと考えている。すでにアクセサリー分野など周辺商品も拡大しているが、もうすぐブランドとしてのマイルストーン(20年)に達するし、今後も単なる服や単なるデザインを越えて、ブランドをさらに育てていきたい」
元ミス・ワールド日本体表が東京コレクションやパリコレクションに挑戦?
元ミス・ワールド日本体表が東京コレクションやパリコレクションに挑戦?
「東京コレクションやメルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京に出てみたい」という五十嵐希さん。
2012年にミス・ワールド日本体表と準ミス・インターナショナル日本代表に選ばれたNonこと五十嵐希さんが8月29日に都内で開催された東京ファッションデザイナー協議会の懇親会に参加した。
五十嵐さんは身長177センチ、B89、W58、H87。ミス・ワールドとミス・インターナショナルのほか、2011年にはミス・ユニバース・ファイナリストにも選ばれている。
五十嵐さんは、懇親会に参加したモトナリオノ(motonari ono)の小野原誠さんやアツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)の中島篤さん、まとふ(matohu)の堀畑裕之さん、東京ファッションデザイナー協議会に新加入した坂口英明さんなどのデザイナーやアタッシェドゥプレスなどにアピール。
「今まで本格的なコレクションに出たことはありませんでしたが、東京や海外のランウェイショーに出たい。東京ガールズコレクションなどにも興味があります」と話した。
ユーキオグラ2015年春夏コレクションYUUKI OGURA
ユーキオグラ2015年春夏コレクションYUUKI OGURA
アンジェリーナ・ジョリーの映画「マレフィセント」のイメージ
「最初はメルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京(Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO) 2015年春夏に参加し、インスタレーション形式でコレクションを発表するつもりでした。海外の展示会にも出てみたい」という小倉遊亀さん。
ユーキオグラ(YUUKI OGURA)は8月に東京・渋谷で行われた「ホワイトファクトリー」グループ展に出展し、2015年春夏コレクションを発表した。
メードインジャパンの物作りにこだわり、世界に向けた日本の技術、日本のファッションの発信を目指すとともに、映画「チャーリーとチョコレート工場」や乙一の長編ホラー小説「暗黒童話」の中のショートストーリー「アイのメモリー」からインスピレーションを受けたデザインなど、「音楽や映画などをテーマに、今までに見たことがあるような、ないような不思議な世界」を表現している同ブランド。
2015年春夏コレクションではアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)主演の映画「マレフィセント」
のイメージを羽根のモチーフやレース、刺しゅう、柔らかなシルエット、フラワープリントなどで表現した。また、今シーズンは数年前に発表した「狼ずきん(狼と赤ずきんのミックス)」のキャラクターを復活。さらに、ぬいぐるみ作家である陳列美術品製作所の稲川氏とコラボレーションし、同氏の豚や唇、花などのぬいぐるみを選び、自由に付けることができるカスタム帽子も展開する。
小倉さんはインターナショナルスクールとアメリカの高校を経て、2003年ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインのファッション科に入学、2007年卒業。同級生にはアレキサンダー・ワンなどがいる。 帰国後フリーで活動し、2009ユークスターを設立し自身のブランド「カイリ」Khay-Ree(当時)をスタート。海外展開などに向けて2011年7月にブランド名をユーキオグラに変更した。今年は「2014 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞プロ部門」に選ばれ、東京ファッションデザイナー協議会の正会員にもなった。
「東京ファッションデザイナー協議会の正会員になったのは、今後のためにたくさんのデザイナーと知り合い、話を聞きたかったからです。ホワイトファクトリーに出展したのも将来、海外で作品を発表するために、生産サイクルを早めたかったからですし、キャラクターを復活したのもコラボレーションしたのも海外展開を意識したものです。今シーズンは10月15日に渋谷ヒカリエで行われるTokyo 新人デザイナーファッション大賞のショーに参加しますが、次回はメルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京(Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO) のスケジュールの中でインスタレーションをしたいと思っています。今後はビジネス支援者10名の1人に選ばれたことを活かしてパリなどの合同展にも出展したいと思っています」
ヨウジヤマモトとコラボレーションした笹田靖人さん聞く
ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)とコラボレーションした笹田靖人さんに聞く
「山本耀司さんからは『世界を驚かせたい。世界を驚かせるようなものを作れるか』と言われました。僕ができますと答えると、耀司さんはよし、やってみろと机を叩きました。あれから1年。いろいろなところで取り上げてもらえました。伝わっていると思っています」と語る笹田靖人さん。
ヨウジヤマモトは9月6日、青山本店で絵画と写真と服の融合を表現するアートイベント「Painting,Photography and Fashion are always Art.」を開催した。雑誌ヴォーグ(VOGUE)が主催するナイトショッピング・イベント「ファッションズ・ナイト・アウト」にあわせて行われたもの。2011年にはニックナイトやピーターリンドバーグなどの写真展を、翌2012年には山本耀司が描く絵画を初めて一般公開した展覧会を開催するなど、これまでもアートを発信してきた同店。今回のアートイベントではレスリー・キーの写真展「SUPER YOHJI YAMAMOTO」とともに、パリで発表されたメンズとレディースの2014/2015秋冬コレクションでコラボレーションした画家・笹田さんのライブペインティングを行った。
2014/2015秋冬コレクションで自身が描いた作品がプリントされた1階ウインドウ。笹田さんは「ファッションズ・ナイト・アウト」がスタートした午後5時から終了まで何度も繰り返しライブペインティングを行い、一枚の作品を描いた。
笹田さんは「3月の2014/2015秋冬パリコレクションでは当日の朝も泊まり込んで描いていました。コレクション会場にもいたんですよ。コレクションは生ものですから。ショーの1ヶ月前に耀司さんがいいと言っていたものが、その後もいいとは限りません。コレクションが近づくにつれて変わっていくのです。だから、当日もぎりぎりまで描いていたんです」と振り返る。
笹田さんが描いた作品以外に山本耀司氏自身のレントゲン写真のプリントなどが加わったこともあるのだろう。ヨウジヤマモト2014/2015秋冬コレクションでは、目玉モチーフや風神雷神、ロボットなどのアバンギャルドでダイナミックなものからレザーに描いた繊細な線画まで、チームで描いたと思えるほど幅広い作風が登場していたことも印象に残っている。
「最初は『こうしてほしい』という細かい指示もありました。でも、それでは耀司さんを驚かせるようなものはできません。耀司さんや世界を驚かせたいと思って作っているうちに、もともと自分自身が持っているものや描いていた作品とは違う『新しい笹田』を見せてもいいんだと思うようになりました。だから、今回のコレクションで発表したものは僕がこれまで作ってきたものとは違います。でも、今振り返ると、それがよかった。未知のもの、知らなかったもの、変わっていくものを作ることができました。小物にまで広がりました。そういう意味では(通常の)コラボレーションではないのかもしれませんね」
コレクションは2014/2015秋冬コレクションから
2015年春夏パリコレクションスタートルシアン・ペラフィネ
2015年春夏パリコレクションスタートルシアン・ペラフィネ(LUCIEN PELLAT FINET)
ダークなトロピカルの次は夏らしい色?それとも鮮やかな色やポップとクールのミックス?2015年春夏パリコレクションが23日からスターとした。10月1日までの9日間で約90ブランドがコレクションを発表する。今シーズンも公式スケジュールのトップを切ってプレゼンテーションを行ったのは、今年創設20周年を迎えたルシアン・ペラフィネ(LUCIEN PELLAT FINET)。夏らしい色やモチーフを強調したコレクションを見せた。鮮やかなブルーやオレンジなどの色を使ったボディコンシャススタイルのニットはルシアン・ペラフィネらしいスカルがマリンやパイナップルになっている。スカルやリーフを隠したハイビスカスや椰子の木。1年前の2014年春夏コレクションでトレンドとなったダークなトロピカルモチーフや都会のリゾートスタイルとは対照的な夏らしさを打ち出したデザイン。レーザー加工を施したデニムのパンツなどのコーディネートも印象的だ。身体のラインを強調したシルエットも目を引いた。
なお、ルシアン・ペラフィネは11月初めに、デザイナーも来日し、六本木でパーティを行う予定だ。
2015年春夏パリコレクションアンリアレイジ(ANREALAGE)2015年春夏コレクション
2015年春夏パリコレクションアンリアレイジ(ANREALAGE)2015年春夏コレクション
アンリアレイジ(ANREALAGE)2015年春夏コレクション。一言で言えば自己紹介。これまでの技術を発展させたアンリアレイジ・オールスターズであり、アンリアレイジの過去、現在、現在進行中の未来を集めたパーマネントコレクションとも言える、クレバーで戦略的なコレクションだった。
テーマはSHADOW。前半は服やボタン、スタッズなどのディテールの影がデザインとして加わっているのだが、これはデュシャンの階段を下りる裸体そのままに時間の経過を形にしたデザインを発展させたもの。前から光が当たっていると言うことか、前身が白、後ろ身が黒というものも。
そして、影をそのままプリントにしてしまったようなデザインは、かつてドリス・ヴァン・ノッテン(DRIES VAN NOTEN)が「木漏れ日」をプリントにしたドレスを思い出させるが、これも2013/2014年秋冬コレクションで注目を集めた色を壊すという挑戦を進化させたデザインだ。3Dプリンターで形が生まれるようにレーザー光線でグラフィカルなプリントが生まれる演出も効果的だ。日本らしいハイテク素材を加えたデザインは初めて見る海外のプレスやバイヤーを驚かせた。
パッチワークは神田恵介とともに東京タワーで開催した2006年春夏コレクションから一貫して進化発展させている定番中の定番だ。東京タワーのように服の形を作る骨組みをむき出しにしたテクニックも日本の繊細な切り絵細工のように美しい柄を描いている。
2013/2014年秋冬コレクション終了後これまで発表してきたアイデアを継続し発展させていくことについて聞いたときの「まだできていないが、半年というファッションのサイクルでデザインを広げていくのは難しいので、そういう気持ちはあるし、やらなくてはいけないとは思っている」という森永邦彦の言葉を思い出させたコレクション。トレンドへの対応や新しさなど常に変わっていくことが求められる東京とそのデザイナーの哲学や何を考えているのかが重視されるパリとの違いだろう。
80年代にコムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)とヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)が作り出した黒の衝撃を意識し、光と影をテーマにしたという今回。アニメやアイドルなどのオタクカルチャーやラーメンなどが人気を集める中で、30年後に行われた色や形を壊したコレクションはボロルック、Hiroshima、Nagasakiと批判された当時とは違い、深読みされ、拒絶されることもなく、拍手で迎えられた。黒と白の色使いや墨絵のようなダークな柄、パッチワークなどはトレンドでもある。
日本では常に前回を捨て去り、新しい提案を続けてきたアンリアレイジ。
「アンリアレイジは世界ではまだ知られていない。1回目は自分らしいことをやり、これまでの技術を更新させた。もし、今シーズンも東京でショーをしたらまったく違うものになっていただろう。これをきっかけに、次はパリコレクションでも新しいことに挑戦したい。東京と違いさまざまな制限があるが、やれるところまでやって、パリコレクションをかき回したい」
2015年春夏パリコレクションジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)
2015年春夏パリコレクションジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)
プレタポルテから撤退するジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)が9月27日、プレタポルテとしては最後のショーとなる2015年春夏コレクションを発表しました。
今シーズンのテーマは、ミス・ワールドならぬミス・ジャンポール・ゴルチエ。会場となった劇場にはゴルチエ自身の着ているマリンボーダーをはじめ、得意とするトレンチコート、デニム、白と黒やトリコロールカラーを使ったデザイン、サイクリストのようなスポーツ、自然を感じさせるグラフィックのモチーフなどが登場。また、雑誌編集長や記者をイメージしたデザイン、ルチャリブレ(メキシコのプロレス)の覆面をドレスにしたもの、服を脱いで下着姿になる演出、ラストのミス・ジャンポール・ゴルチエに選ばれたモデルが喜びで失神する寸劇などゴルチエらしい悪ふざけも満載です。会場が大きすぎてディテールや素材などは見えませんが、そんなことは関係ないのでしょう。
インターネットの速報やSNSが存在しない80年代。パリコレクションやファッションショーが夢でありスペクタクルであることが許された時代、デザイナーがアーティストのクリエーションが許された古き時代に長年フランスの業界紙の人気投票1位だったことを思い出させたコレクションでした。
ショー終了後に多くの人に取り囲まれたゴルチエ。今後の活動も楽しみです。
2015年春夏パリコレクションアンリアレイジ(ANREALAGE)2015年春夏コレクション
http://ameblo.jp/fashionleaks/entry-11930557846.html
2015年春夏パリコレクションスタートルシアン・ペラフィネ(LUCIEN PELLAT FINET)
http://ameblo.jp/fashionleaks/entry-11929273027.html
ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)とコラボレーションした笹田靖人さんに聞く
http://ameblo.jp/fashionleaks/entry-11926519005.html
コレットのウインドウは2015年春夏コレクションとApple Watch
コレットのウインドウは2015年春夏コレクションとApple Watch
コレットのウインドウは2015年春夏コレクションとアップルウォッチ(Apple Watch)。毎シーズン、パリコレクションや展示会のためにパリを訪れるプレスやバイヤーが必ずチェックするのがパリの有名セレクトショップ「コレット」。今シーズンも実験的なウインドウディスプレイを見せてくれました。
コレクション3日目の夜、前を通りかかるとカルヴェン(CARVEN)が飾られています。しかも、日本のモチーフ。あれ?今朝見たコレクションでもカタカナでカルヴェンと書いてあったけど、前回も同じようなのを出してたのか、と通り過ぎました。ところが、次の日にコムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)の展示会に行く途中に見るとジュンヤワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)に変わっています。しかも、コレクションに登場したヘッドピースこそ無いものの明らかに昨日見たばかりの2015年春夏コレクションです。しかも、よく見ると、ちゃんと2015年春夏春夏コレクションと書いてありました。
普通、ウインドウディスプレイには今店頭で展開している2014/2015秋冬コレクションが飾ってあるはず。と思って展示会でコムデギャルソンで確認すると2015年春夏コレクションで登場したばかりのコレクションを毎日1点ずつ飾ることでコレクション速報をするという企画でした。(ちなみに、コレクション作品をそのまま飾っているため、その日の展示会にはありません。また、同じ日にコレクションをしたのでコムデギャルソンは飾らないそうです)。飾られた作品はコレットで販売するもので、先行予約などもできるということです。
前回2月のコレットのウインドウに貼ってあったコレクションプリントを拡大したアイデアは日本でもすぐに取り入れられました。さすがに、今回コレットが飾っているようなレベルは無理にしても、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京(Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO)など東京コレクションで発表された作品をすぐに百貨店やセレクトショップに並べることは難しくないはず。 自社ブランドを自分のショップに並べるのはもっと簡単です。コレクションで発表した作品をウインドウや店内に飾り、先行予約を受けるやり方は日本でも広がりそうです。
さらに、びっくりしたのは、翌週のウインドウディスプレイ。パリコレクション速報では無く、腕時計型端末「アップルウォッチ(Apple Watch)」が飾られていました。もはや服でさえありません。コラボレーションするのかどうかはわかりませんが、コレットがアップルウォッチをファッションと考えたのでしょう。
いずれにしても、アップルウォッチも来年はじめに発売されるものですから、コレットのウインドウディスプレイは今販売しているものではなく、完全に2015年春夏の予告ということになります。
コレクション会場でiPadを使って招待客リストをチェックするのはもはや当たり前になっていますが、ブランドとのコラボレーションもあるでしょうし、来年のコレクション会場やパーティではリストバンドの代わりにアップルウォッチを使うブランドがあるかもしれません。
まとふ(matohu)2015年春夏コレクション
2015年春夏東京コレクションまとふ(matohu)2015年春夏コレクション
まとふ(matohu)2015年春夏コレクションのテーマは素(しろ)。世界で最もたくさんの色を見分け、虫の声に秋を感じる日本人の感覚や日本の美意識を取り入れた服作りを続ける堀畑裕之と関口真希子。今シーズンは美しい白木のステージの上で、さまざまな生成りを使ったデザインをベースに、木目、レース、しわ、洗いざらしたような感覚、グラデーションなどを取り入れた服を発表した。
90年代初めにトレンドとなったフラジルを思い出させる素材感とデザインは、「尽くし」をテーマに、貝づくしなど日本料理の盛りつけのように、さまざまな物語や遊び心を隠した、たくさんの柄と色を集めた2014年春夏や、「ふきよせ」をテーマに素材のミックスと重ね着を駆使した2014/2015秋冬の反動とも言えるもの。関口の母の手によるアーティスティックで日本的なヘッドピースがショーのアクセントになっている。
海外で再び注目されている山本寛斎をはじめ、1年前の日本庭園やそこに置かれた石のようなヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)のオートクチュールやソマルタ(SOMARTA)の着物、ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の群れをなすと怖いが、一匹一匹はかわいいという日本人の隠喩ようなテーマや渋谷のスクランブル交差点を上から撮影した人が歩いている柄、クリスチャン ダダ(CHRISTIAN DADA)の暴走族の特攻服。そして、今シーズンのカルヴェン(CARVEN)、アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER MCQUEEN)、ネ・ネット(Né-net)まで、日本モチーフがトレンドとして注目される中で、0からのスタートというコムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)的な思想を受け継ぎながら、ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)などから続く、重ね着などの日本的要素を封印した、和紙や木目のように自然の広がりを感じさせるデザインが新鮮だ。
未来的でありながら日本的でもある生成りと繊細なこだわりをあえて見せず、デザインよりも女性の美しさを強調した姿勢は、白やノームコアに対するまとふなりの回答のようにも見える。
今回のコレクションを見ていて「間(ま)」のようなものを感じた(デザイナーは意識していなかったようだ)が、日本的なモチーフではなく、あえてすべてを書かないことで空間や静寂の中に見る者の想像の余地を残したデザインは海外のデザイナーや他のデザイナーにはできないまとふならではの感覚といえるのかもしれない。
コラムつば広帽子
コラムはじめました1。いつまで続くかわかりません。
2015年春夏東京コレクションつば広帽子流行
(写真は2015年春夏パリコレクションから)
読売新聞。東京コレクションで「つば広帽子」流行の記事。逆の意味で、なるほどと思った。今シーズンは、何度か「東京には、なんでこんなに帽子を被っているんだろう」、「じゃまだな」と思ったからだ。はっきり言って、私はつば広帽子が嫌いだ。なぜ、コレクションの会場でつば広帽子を禁止にするべきではないかとさえ思っている。
2、3年前、ブロガー全盛期(東京は今でも続いているが)にも、別の場所で、他人が見えなくなるようなヘッドピースや帽子を被るべきでは無い、と書いたが、はっきり言って、コレクション会場で「つば広帽子」が隣に来たら最悪だ。つばを避けながらコレクションを見なければならなくなるからだ。その上、つばを避けながら逆側の人の邪魔にならないかも気にしなければいけないのだ。しかも、そういう人ほど、前かがみでショーを見たりする。だったら、言えばいいというかもしれないがそうはいかない。さらに悪いことに、編集長クラスにも、つば広帽子を被っている人がいるからだ。
あまりにもつばが大きかったので「すみません(なぜ、こちらが謝らなければいけないのか疑問なのだが)ショーが始まったらでいいので帽子をとっていただけますか」と言ったこともある。だが、1人は「なぜ」と不思議な顔をしていた。もう1人は、後から知ったことだが、ある媒体の編集長だった。
こんなことを言うと、コレクションはデザイナーやブランドに敬意を表して、おしゃれをしてくるべきだ。と、言われそうだ。百歩譲ってそうだったとしても、コレクションの本質はデザイナーのコレクションを見ることであって、来場者のファッションを見ることではない。それがお仕事のストリートスナップブロガーさんや会場スナップ担当者は別として、自分の服を見せに来るタイプの人でさえ、他人の帽子になど興味はない。興味はあったとしても、他の人がコレクションを見るのに邪魔になるなら、本末転倒である。と思う。
これが、コンサートならどうだろう。好きな歌手やアイドルグループのコンサートでは雨の日でも傘は禁止。誰も疑問に思わない。他の人が見にくいからだ。それと同じで、コレクションでも、大きな帽子の人の隣や後ろになどいたくない。それに、隣につば広帽子がいたとする。隣の人はそれを避けて前屈みになる。その隣の人はそれを避けて。その隣の人はあきらめて逆から歩いてくる姿を追うことになるのだ。コレクション中は携帯電話の電源をお切り下さい、と言うのに、なぜ、コレクション中は大きな帽子を被ったり前屈みになるのは、周りの人のご迷惑になるので、おやめ下さいと言わないのは不思議だ。
もっとも、デザイナーやブランドは、コレクションを見に来るくらいの人や将来デザイナーになりたいと思うような学生なら当然周りの人が見にくいことに気付く程度の繊細さを持っている、そんな鈍い人はコレクションには来ない、と思っているのかも知れない。